After the Pleistocene

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映画「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」
 この映画で一番印象深かったシーンは、第一次大戦勃発直後のイタリアで、参戦か参戦反対か国内の世論が真二つに割れ、戦争のニュースを上映する映画館で両派が乱闘騒ぎになる場面。場内騒然とする中、懸命にピアノを弾いている演奏者の姿が面白かった。
 遅れた農業国家としてイタリアは1861年に王国が成立したが、国内は不統一でその焦りが過激な行動としてファッシストを生む下地となった。最初イタリア社会党に属していて戦争に対し中立表明していた若きベニート・ムッソリーニが、参戦派にまわる。これが大きなきっかけで、イタリアはドイツ・オーストリアに宣戦布告した。この物語はちょうどそのころスタートするが、イタリア国内の政治情勢を追うことよりも、盲目的にと言っていいほど深くムッソリーニを愛してしまった女が、「ドーチェ」と奉られるほどの権力者となった相手から遠ざけられ、さらに精神病院にまで閉じ込められてしまうという悲話を延々と綴る。
 確かムッソリーニには数多くの愛人がいたのではなかったか、という思いが災いして、この女性イーダ(ジョヴァンナ・メッツォジョルノ)にどうも感情移入ができなかった。大衆を扇動して戦争に駆り立てていったムッソリーニの罪は大きい。しかも彼の成功がなかったら、その後のヒトラーの台頭も危うくなり、日本もファシズムの影響が少なかったかもしれない。(でも不況に喘ぐ国民の戦争熱がどう収まったかは予測できないが・・・)
 私は絶えず怒鳴り散らしているような男に嫌悪を感じるので、彼を愛したイーダが好きになれなかった。私には能の『花筐』の女性のように自ら狂ってしまう方が好みだ。映画はムッソリーニの人物像が物語上と記録映画上とでうまくつながらない欠点があったが、その他の映像の巧みさには感心した。マルコ・ベロッキオ監督のイタリア映画。 
 
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コメント
お早うございます。
この映画は、おっしゃるようにいろいろ問題点はあるとは思いますが(「盲目的にと言っていいほど深くムッソリーニを愛してしまった女」に「感情移入」しにくいなどといった)、なんといってもイーダを演じるジョヴァンナ・メッツォジョルノの熱演に圧倒されてしまいましたし、それだけでなく様々の凝った映像とか、イタリアの精神病院の状況にも興味を惹かれました。
| クマネズミ | 2011/07/28 6:27 AM |
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映画「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」激動のイタリア史の別の顔
「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」★★★☆ ジョヴァンナ・メッツォジョルノ、フィリッポ・ティーミ出演 マルコ・ベロッキオ監督 128分、2011年5月28日より全国順次, 2009,イタリア,エスピーオー (原作:原題:VINCERE/勝利を)             
| soramove | 2011/07/29 9:55 AM |
愛の勝利を
 『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』をシネマート新宿で見ました。 (1)この映画は、表題から、ムッソリーニと一緒に終戦直後に銃殺された愛人のことを描いた作品ではないか、と思っていましたが、実際に見てみると、主人公の女性は、第2次大戦が始まる前にすでに
| 映画的・絵画的・音楽的 | 2011/07/28 6:27 AM |