After the Pleistocene

A memory of my ramble
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映画「瞳の奥の秘密」
 アルゼンチンを紹介する記事の中で、パンパスを駆けるガウチョ(牧童)たちが非常に怒りやすく、すぐナイフで刺してくるとあった。情熱的であることは理解できるが、男たちが本当にそんなに短気でなぜ命を軽んじているのか私は知らない。つい150年ぐらい前まではすぐダンビラを振り回し、65年前までは国家のために簡単に命を投げ出したわが祖先たちを忘れてしまったわけではないが、アルゼンチン社会の暗い一面をこの映画でも覗くことができる。
 1974年ごろ裁判所の捜査官として自分が担当した事件を、それから25年もたって本として記録を残して置こうとベンハミン(リカルド・ダリン)は執筆を始めた。それはまだ新婚間もない若妻のむごたらしい強姦殺人事件だった。留置所における警察による拷問で明らかな誤認逮捕、同僚との真犯人捜査、追跡、そして自分の上司である女性判事イレーネ(ソレダ・ビジャミル)と絶妙のコンビで犯人の自白を勝ち取るまでが前半の山場。殺された女性のアルバムから推理し、数万人の観衆でわくサッカー場で犯人を追い詰めるシーンは見応えがある。 
 しかしベンハミンの筆は進まない。事件は捕まえた犯人を政府がすぐ釈放してしまったから。時の権力者が彼を重要な情報提供者とした。つまりスパイだったというわけだ。その直後同僚が惨殺され、ベンハミンは今度は追われる立場に。しかも執拗に犯人を追い求めていたはずの若妻の夫はなぜかその後冷静な態度。物語は急速に予想外なエンディングへと導いてゆく。
 アルゼンチンは第二次大戦時、どちらかというとナチスドイツ贔屓だったが、連合国側、枢軸国側両方にバランスを取って貿易で巨利を博した。しかし戦後猛烈なインフレに悩まされると、国内の政治は大変乱れた。汚職と腐敗が目に余る状況だった。映画はその暗い断面を撫でるようにして、瞳の奥の秘密を暴いてゆく。アルバムにあった数枚の写真から、最後のシーンまで瞳の奥をのぞき込むように真実を追い求めてゆくストーリーは深く重いものがあった。
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瞳の奥の秘密
瞳の奥の秘密 英題:THE SECRET IN THEIR EYES 2010年/アルゼンチン/スペイン 監督:フアン・ホセ・カンパネラ キャスト:リカルド・ダリン、ソレダ・ビジャミル、ギレルモ・フランチェラ オフシャルサイト (10月6日) 僕としては、めったにお
| Art-Millー2 | 2010/10/17 7:25 PM |
「瞳の奥の秘密」
何十年か越しのラブストーリーだったのだね、この話。
| 或る日の出来事 | 2010/10/16 12:23 PM |