After the Pleistocene

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映画 「愛を読むひと」
 このベルンハルト・シュリンクの原作『朗読者』は、確か4,5年前に読んだ記憶がある。このような形で映画化されるとは・・・前半は比較的ゆっくりと、後半は法廷場面を描いて緊迫した状況が展開されたと思い出すのだが・・・
 15歳の少年が21歳も年上の女性に介抱され、つい深みに入ってしまう導入部は、非常にショッキングなのだけれど、原作以上に映像のsexシーンは強烈だった。それらのシーンが目に焼きついている所為か、この女性ハンナ(ケイト・ウインスレット)が謎めいた影を持っている側面を見逃している。彼女は日常生活で、いわゆる“世間”から逃れよう、逃れようとしていた。
 突然消えてしまった彼女が、かってナチス親衛隊(SS)の一員であり、ユダヤ人強制労働作業所での行為に対する裁判の場に登場していることが8年後にわかった。「死」の選別に彼女がどうかかわったか、これはドイツ人すべてに対する問いかけでもあった。いやわれわれすべてに対して。「あなただったら、どうしたか?」
 われわれ日本人ではあまり理解できないが、文盲であることはヨーロッパ社会では不思議ではない。多数の民族が入り乱れてそれぞれの言語を話し、モザイク状の社会を形成していた。大戦前、東ヨーロッパのユダヤ人たちにはイーディシュ語が広く使われていた。あの言語には文字はあるのだろうか。しかしドイツ人にして、ドイツ語が読めない、書けない屈辱はいかばかりだったろう。
 いまではわれわれの常識になっている、アウシュヴィッツなどにおける収容所の惨劇は、映画ではカイコ棚のベッドや狭いシャワー室、山積みにされて靴の残骸でしか表現されなかったが、人々を徹底的に貶めて、人間の尊厳を全く奪ってしまうシステムを作り上げたナチスの亡霊は、いまだどこかに徘徊しているに違いない。
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愛を読むひと (2009)
&nbsp; 1958年のドイツ。15歳のミヒャエル(デヴィッド・クロス)は、気分の悪くなったところを21歳年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)に助けられる。その出会いから、2人はベッドを共にするようになり、ハンナはミヒャエルに本の朗読を頼むようになる。だ
| voy's room | 2010/11/12 6:00 PM |
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愛を読むひと
ケイト・ウインスレットが嫌いです。(笑) だって、演技パターンみたいなのが決まっていて 何をやっても一色なんだもの。 しかしこの人、評価されてますよね。 アカデミー賞主演女優賞も取ったらしいし。 一応観ておきますか。 1958年のドイツ。 15歳のマイケル
| 映画、言いたい放題! | 2010/02/18 2:42 PM |
『愛を読むひと』
□作品オフィシャルサイト 「愛を読むひと」□監督 スティーヴン・ダルドリー □脚本 デヴィッド・ヘア□原作 ベルンハルト・シュリンク(「朗読者」) □キャスト ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、デヴィッド・クロス、レナ・オリン、アレクサンドラ
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ケイト・ウインスレット主演の濃密なラブ・ロマンス風ヒューマン・ドラマ「愛を読むひと」(2008年、米・独、124分、MGM映画配給)。この映画はベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説「朗読者」を「めぐりあう時間たち」などの作品で知られるスティーブ
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| ☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2009/07/04 8:51 AM |