After the Pleistocene

A memory of my ramble
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大兄 ペナンに死す

JUGEMテーマ:日記・一般


 十日前ほどペナンの大兄がなくなったことを共通の友人が知らせてきた。大兄は非常にたくさんの友人に恵まれ、私もその端にぶら下がっていたものだが、実にいままで公私ともに大変お世話になった。ペナンにも二度、三度とお邪魔して彼のマンションに泊めて貰った。(このブログ、2009年4月を参照)
 映画や歌舞伎にも造詣が深く、いろいろ教えて貰うことが沢山あった。華麗な文楽の舞台も彼に導かれたものだ。大兄から頂いた本『文楽の女』(山川静夫著)にはなんと吉田蓑助の自筆署名が入っていた。残念ながら暇と金に不自由する私にはいつも就いて行くことは困難で、彼の豊富な知識の前に残念な思いもした。彼の姿は『助六』の舞台で黒簾の内から河東節を唸る蔵前の旦那衆の一人のように思えたものだ。ミュージカルの舞台も好んでよく見ており、越路吹雪とか木の実ナナと細川俊之の「ショウガール」など思い出深い舞台を語って尽きることはなかった。ブロードウェーで「コーラスライン」も見ているし、ロンドンのウェスト・エンドにも行っている。一度パリの町を案内する日本人を紹介してくれないかと言われて困ったこともあった。
 大兄の口から直に詳しく聞くことはなかったが、後半生では金銭的に大変な不幸が彼の身の上に招来して、とうとう日本を逃げ出してしまったのはバブル崩壊の直後であった。心臓や内臓の手術を行う羽目にも陥って、ペナンで本当に優雅な生活を過ごせたかどうかは疑問である。されば彼が特に好んだ『曾根崎心中』の一節を手向けよう。
  
  この世の名残、夜も名残。死に往く身をたとふればあだしが原の道の霜。
  ひと足づつに消えてゆく夢の夢こそ哀れなれ
  あれ数ふれば暁の、七つの時が六つ鳴りて、
  残るひとつが今生の、鐘の響きの聞き納め
  寂滅為楽と響くなり
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