After the Pleistocene

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映画「女王陛下のお気に入り」

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 観客はシェイクスピアの重厚な悲劇を期待して見に行ったところ、モーツアルトのオペレッタを見せられた感じがしないでもない。しかし映像はあくまでも現代社会で、映倫規定に触れるきわどい場面が何度も写される。
 ヨーロッパの重商主義が終焉する18世紀初頭、大英帝国を統治するアン女王(1665〜1714、統治1702〜1714)は、自ら望んでこの王位を就いたわけではなく、特に素晴らしい経綸を示すわけでもなかった。同級生だった優秀な女官サラ(のちにはマールボロ公爵の妻)の頭脳に支えられてどうにか国政を見ているだけで、わが身に起きた17回もの不幸な出産をしきりに嘆く平凡な女王であった。戦争が絶えない対外関係では、スペインの繁栄は陰りが見え始め、フランスの太陽王ルイ14世も晩年に差掛ってきている。大英帝国がこれから他のヨーロッパ強国に先んじて体制造りをしようとするときでもある。
 サラの従妹と称するアビゲイル(エマ・ストーン)が貧しい平民の形で最初登場。次第に女王(オリビア・コールマン)に取り入って、やがて国政を牛耳っていたサラ(レイチェル・ワイズ)をも追い出すことになるという物語。重々しくも華麗な宮殿の佇まい、派手派手な鬘をつけた男性貴族に取り囲まれ、極めてきわどい悪略がめぐらされる。(だから、なぜアビゲイルがいまさら貴族の地位を望むのか、理解できない。)傷をつけられた顔の半面を、黒のレースで包んだレイチェル・ワイズの姿がなかなか良い。映画はアビゲイルの零落をも予想される形で幕を閉じる。
 三人の女優が火花を散らして渡り合うところはなかなか面白かったが、英国がこの貴族社会にどっぷり浸かっている厄介な状況についてはあまりにさっぱりし過ぎており、もっと笑いのめしてでも引き出してしまわないといけないのではないかと、ややもの足りない気分で映画館を後にした。監督 ヨルゴス・ランティモス
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