After the Pleistocene

A memory of my ramble
CALENDAR
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>
SPONSORED LINKS
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
MOBILE
qrcode
PROFILE
OTHERS
無料ブログ作成サービス JUGEM
<< 映画「ウィンストン・チャーチル」 | main | 春の大運動会 >>
幸田 文「こわれた時計」

JUGEMテーマ:読書


  幸田露伴の人となりは、幸田文の随筆によってなお広く豊かに伝えられた感がする。その厳しさ、その優しさ。私は幸田文を生んだ母親が若死にした後、彼がどんな仔細で後妻を得たのか知らないが、晩年この女性では大変苦労したようだ。結婚した先の商家が次第に左前になって文が大変な思いをしている時に、その彼女は信州の田舎から壊れた時計を送り治してくれと頼んできた。文はしばらくほったらかしにしていた。そこで父・露伴が語る。
 
「重荷に小付で、さぞ迷惑したろう・・・・めいめい自分の負うべき重荷は、これはどうあっても仕方がないが、そこへ横合いからかってに小付を乗せられては誰も迷惑する。小付は些細な荷だが、身一杯の重荷を背負っている時には、その些細な荷重が怪我のもとになる。遠慮はいらない、小付はおろすことだ。今すぐおろすことだ。」
 時計のとの字もいいませんし、私にもいわせませんでした。言って筋が通る話ではなかろう、というのです。促されて、私は父の目の前で時計の荷造りをし、宛先を書きました。
「困じごとにからまれて心くらむことがあったら、目を閉じて・・・・・・・心の凍てつくとき、目を閉じて、身は伊豆のいで湯の中と思ってごらん。湯を思えば、湯はきっと答える。」
| Book | 11:31 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
スポンサーサイト
| - | 11:31 | - | - | ↑PAGE TOP
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://addfield.jugem.cc/trackback/1215
トラックバック