After the Pleistocene

A memory of my ramble
CALENDAR
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
SPONSORED LINKS
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
MOBILE
qrcode
PROFILE
OTHERS
無料ブログ作成サービス JUGEM
<< 映画「スリー・ビルボード」 | main | METライブビューイング 「トスカ」 >>
磯田道史「武士の家計簿」

JUGEMテーマ:読書


 先週株価はニューヨークも東京市場も大きく下げ、1929年の"The Great Crash"を思わせるような相場変動を見せた。1987年のブラック・マンデーや2008年のリーマン・ショックを凌ぐこの株価値下がりで、日経によれば世界株の時価総額は約5兆ドル(約540兆円)減ったと言われるが、すべてがコンピューター操作のためか一向に深刻な感じは出ていない。この1週間で日本株は8.1%安、米国株5.2%、英国株4.7%、中国・香港株9%超えの下落と大きいのに、紛争や難民の問題でも直接わが身に降りかからないとなかなか実感しないというのは困ったものだ。本当に世界はこんなに激しく動いているのだろうか、と。
 若手の歴史家で最近テレビ番組でお馴染になっている磯田教授の本を読むのはこれが初めてで、(映画化もされたが見ていない)ちょっとワクワクしながら手に取った。こんなことは久しぶり。実際この本の行間から、彼の少し甲高い声が聞こえてくるような楽しみを味わった。加賀藩の会計処理を扱った下級武士猪山家の天保(1842年)から明治12年(1879年)までの家計簿をつぶさに検討、当時の金沢城下にタイムスリップして、現在の物価と照らし合わせまでしている。磯田は猪山家の入払帳を表計算ソフトExcelに入れて、その家計収支を見た。『猪山家の人々にしてみれば、百六十年たって、自分のつけた家計簿がパソコンで電算処理されるとは、夢にも思っていなかったであろう。』と機嫌よく記している。
 前田家の加賀藩はそんなに貧しい藩ではなかったと思うが、それにしても年収の2倍の借金を猪山家が背負っているというのは苦しい。よく思い切って家財を売り借金を減らし、生活もかなり切り詰めた思うが、息子がさらに高給を得られる立場に立てたのも幸いしている。(明治に入っては、一般の士族が困窮する中に、海軍に出仕して最高の高給取り「官員」となった) 江戸幕府から明治新政府へ大きく時代が変わるときに、個人もまた否応なく変化しないではいられないことを、武士の家計簿からも読み取れる。私は当時の武士が自分の知行地を知らなかったということにびっくり仰天した。武家支配とはなんっだったのだろうと考えさせられた。
| Book | 23:14 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
スポンサーサイト
| - | 23:14 | - | - | ↑PAGE TOP
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://addfield.jugem.cc/trackback/1206
トラックバック