After the Pleistocene

A memory of my ramble
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「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」
 リオ・デ・ジャネイロのオリンピック開会式を見ていて、選手たちが手に手にスマホをかざしながら入場してくる姿にちょっと驚いた。以前の8ミリや普通のデジカメを持った人は少ない。盛んにスマホで自撮りをしている。次回の東京オリンピックでは、ウエアラブルなビデオカメラやカメラ付きゴーグルを付けて選手は入場してくるかもしれない。この長い題名の本は、イタリアのウンベルト・エーコとフランスのジャン=クロード・カリエールの二人の碩学による、最近の電子機器の発達で書物が絶滅するのではないかと未来学者が発言するのに触発されて企画された対談だが、むしろ書物について日ごろの蘊蓄を傾けた楽しいおしゃべりになっている。
 『書物はもちろん読まれるたびに変容します。それは我々が経験してゆく出来事と同じです。偉大な書物はいつまでも生きていて、成長し、我々とともに年を取りますが、決して死にません。』とカリエールが語る。焚書の刑を科しても決して本はなくならないし、読まれなくてただ書架に積んでおくだけでも書物の価値が出てくるという。実際題名だけは知っていても、読んでない本がなんと沢山あることだろう。確かに本棚はワインセラーに似ている。
 ポルトガルのコインブラの図書館でのエーコの経験談がおもしろい。インキュナブラ(15世紀半ばから16世紀初め頃の初期の印刷技術で作られた稀覯本)など貴重な書物に囲まれた一室で、机にフェルト布が被せられていたので、これは何かと尋ねたところ、蝙蝠の糞から本を守るためと図書館員はいう。蝙蝠を退治したらというと、蝙蝠は紙魚を食べてくれるから駆除しないという。更に紙魚もまたどのようにページの内部を食っていって、どのように製本されたのか、新しく差し込まれたページがないかどうかも教えてくれるので、ないがしろにはできないという話をエーコは聞いた。書かれている内容とともに、本そのものの成立が物語になっている。
 
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