After the Pleistocene

A memory of my ramble
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栃尾又温泉で亡き友人を想う
 魚沼市の永林寺で江戸末期の彫刻家石川雲蝶(1814〜1883)の木彫り作品を見た後、秘湯栃尾又の温泉に浸かった。体温とほぼ同じくらいの36℃のこの温泉では、皆眠るがごとく瞑想するがごとく一時間も二時間も湯の中でじっとしている。いつもカラスの行水の私も、無念無想・・・いやいやさまざまな雑念に取り囲まれて湯に浸っていた。今月心筋梗塞で急死した大学のクラスメート・青柳雄彦君のことを想っていた。
 湯宿の隣には古い薬師堂があって、その周りを樹齢400年を超す杉や欅の大木が囲んでいる。子持ち杉とか夫婦欅とか名前を付けられてしめ縄をめぐらした巨木もある。みな苔むし、しかも隆々とそびえたっている。そばを流れる小川の崖沿いには栃の大木もあった。私は栃の大きな葉っぱが大好きだ。もしもう一度人生をやり直して、もし広い庭の邸宅を構えることができたら、庭には桜と枝をいっぱいに広げた栃の木を植えたいと夢見ている。
 青柳君は卒業後大会社に就職したと思ったら、1年もたたずに辞め、学生時代から趣味のギターの専門店ギタルラ社を起業した。50年たった今では一流会社に成長している。彼は高校3年の時にヨーロッパを中心に39日間の世界一周旅行をした。これがクラスメートの中で自慢の種だったらしいが、私にはそんなことはなく、いつもにこやかに兄貴風を吹かしている友人だった。クラスであまり冴えない私に、『ポルトガルの女の子と文通しないか?』と紹介してくれた。卒業後大分経ってからクラス会で会ったとき、『ギター1本抱えて、夜汽車に乗って秋田まで届けたこともある。』と創業時の苦労を楽しそうに話してくれた。ギターとお客さんを大事にしている様子が印象深かった。その後ギターに詳しい友人にギタルラ社のことを尋ねたら、『うん、とても良心的なお店だよ。』と聞き、私はうれしかったと同時に、その経営を心配した。
 夜更けて湯に入ると、さらさらと湯口から流れる音と、谷を流れるせせらぎの音しか聞こえない。われわれの一生なんかこの一瞬でしかないのかなあ、と思いつつも、明るく朗らかでものにこだわらなかった青柳君の死を悼まないではいられない。
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