After the Pleistocene

A memory of my ramble
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伊丹敬之「日本企業は何で食っていくのか」
 『これからはどんな分野が伸びると思う?そう、化学、化学産業が狙い目だよ。』 親戚の男がダスティン・ホフマンの肩を抱くようにして語りかけた映画「卒業」のワンシーンを思い出した。正直私もそう思って化学会社に入ったつもりだったが、入社後4,5年たってこの映画を見たときは多少幻滅を感じていて、苦笑いしないではいられなかった。1960年代後半から70年代にかけては、プラスチック・合成繊維などで石油化学産業が非常に伸びた時期だったが、水俣のチッソや新潟の昭和電工の公害問題など後遺症も大きかった。
 世界で最も高齢化が進むわが国は、このシニア市場で最先端の市場開発を進めねばならない。「多品種・少量・便利・割高」というシニア需要の特徴は、これから日本の産業が進むべき方向と合致していると著者は語る。いま世界は物理学から化学へと重心シフトが起きていて(例えば電池の開発)、エレクトロニクス産業から後退した日本は、これから化学産業を盛り立ててゆくべきで、その基礎は十分に出来上がっているという。
 混沌とした未来を切り開くべく、日本の企業がどうあるべきかという問いに、著者はかなり具体的に踏み込んでいるが、「化学産業」という答えには私は少し疑問を感じる。1970年代から80年代にかけてプラスチック産業を追いかけた私の経験を語るなら、例えば建装材・壁材においては、その素材を作るプラスチックメーカーや加工メーカーより、その素材に意匠を施す印刷メーカーにおいしいところをほとんど持って行かれてしまったのが実情だ。それから間もなく印刷メーカーはフォトマスク、プリント配線などのエレクトロニクス分野に進出していった。
 私は悲観主義でも楽観主義でもなく、これから日本がとびぬけて世界で優位な立場に立つのは難しいと思っている。日本伝統の格闘技、大相撲でさえ幕内の約半数が外国出身の力士で占められるようになったではないか。大リーガーやブンデスリーグに日本選手が活躍するようになったではないか。せめて中国や韓国、台湾と仲良くできないで日本経済の発展は難しいのでは。

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コメント
よくよく考えるとこれからの日本産業どこへ行くのだろうか?
鉄鋼、中国過剰生産で投げ売り、そのつけはアジア全体、日本へと。「水素」関連は期待がもてそうですが。苛性ソーダ生産過程で大量の「水素」が発生する。化学の基「苛性ソーダ」、このプラントは日本が優位を誇っている。5年ぐらい先は水素自動車が「gasolene」使わずに走っている。そう夢見ていると日本はまだ捨てたものではありませんねー。さて、5年先は生きてるかな?
| 筑波の虎 | 2014/12/04 8:56 AM |
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