After the Pleistocene

A memory of my ramble
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高木芳徳「トリーズの発明原理40」

JUGEMテーマ:読書


 この猛暑の時期に、ちょっと難しそうなテーマにトライするのも私の消夏法のひとつ。わかってもわからなくてもよい、凡そどんなことを論じているのを知るだけでも頭の体操になると思っている。
 1950年代のロシアのゲンリッヒ・アルトシューラーという特許審査官が、約200万件の特許審査案件に接して、その問題解決の手法を僅か40の原理にまとめた。第二次世界大戦を勝利してアメリカに先駆けてロケットを宇宙に飛ばしたようなソ連の先端技術をリードしたこの原理が、90年代以降ソ連の崩壊に伴って西欧諸国に流出した。多くの発想法が、主観的仮説のまま終わっているか、せいぜいが「実際に使ってみて実績が上がった」という定性的評価にとどまっているのに対し、アルトシューラーは、この原理を用いて出願された特許の「定量的検証」を行っていた。私は本当に爛好乾ぁ蹐海箸世隼廚Α
 それぞれの原理の説明はイラスト入りで分かりやすい。例えば4番の非対称性原理の場合、パソコンのコネクターを台形にしたり、突起を設けるなどしてさかさまに入らないようにする、など通常考えられる対称性を崩して非対称性を考えるとあっさり問題解決する例。7番の入れ子原理の場合、フォルダーの入れ子構造のおかげで大量のファイルを管理できる例など。14番の局面原理は非常に使い勝手の良い原理で巻き尺や自転車に利用されている。30番の薄膜利用原理の例に小籠包やケーキなどがあげられていておもしろい。薄膜で物質を覆い、内側と外側を分離したり、薄膜を丸めたり重ねたりすることで三次元構造を作り、問題を解決する方法だ。
 私のような気が早い読者は、「『トリーズの発明原理』はわかった、では発明の現場で実際にはどう使うのか?」とすぐ早合点してきそうだ。そのあたりを第3部の発明原理実践編が触れているのだが、少し簡単すぎて私には理解できなかった。これは稿を改めてぜひ続編に期待したい。この原理の失敗事例などもきっとたくさんあるに違いない。私の空想科学では、「エラ呼吸がどう肺呼吸に進化したのか?」とか、「4脚歩行がどう2足歩行に進化したのか?」など進化論の問題まで幅を広げてみたい。
 
| Book | 12:48 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
映画「ヒトラーへの285枚の葉書」

JUGEMテーマ:映画


 『たかが反戦ビラぐらいで』などと思ったらいけない、書いた人物はもちろん、それを拾って届けなかった者も重罪に処せられるのが独裁国家の怖いところで、太平洋戦争中のわが国では幸か不幸か、誰もそんな無鉄砲な行為に走るものがいなかった。反逆罪の汚名が重くのしかかる社会。『贅沢は「素」敵だ』といって、吉原で豪遊するのが最大の反戦運動であったかもしれない。現在の中国ではネット社会の監視役として約30万人の人間が働いているという噂。
 最初華々しい戦果を挙げたナチス・ドイツの進撃も、息子を戦場で亡くしたオットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)のクヴァンゲル夫妻にとっては正に苦々しいものだった。『ヒトラーは私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう』『ヒトラーは間違っている』と、宛先のない葉書に次々手書きしては、夫妻は人に知られぬようそうっとベルリンの町のあちこちに置いて回った。その数、285通。回収しえなかった葉書が何枚あるか、ナチスは恐慌をきたしていた。必死になって警察やゲシュタポは犯人を捜しまわり、誤認逮捕までする始末。エッシャリヒ警部(ダニエル・ブリュール)はついにオットーを突きとめるが、オットーはこれを予期していたが如く、声高に自己主張することなく静かにギロチンの刑についた。この事件の虚しさにようやく目覚め始めた警部が空しくこの処刑を見守ったあと、手元にあったこれらオットーの葉書を役所の窓から外にばらまいたのは、映画のストーリーとしてはいささか蛇足に見えた。まるで反戦運動がその後のドイツで拡散するが如くであったが、『白バラ』の抵抗運動以外、ナチスドイツに市民運動は起きなかった。監督 バンサン・ペレーズ
| Movie | 21:42 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」
 ご存知、ジョニー・デップ扮する海賊船の船長ジャック・スパロウが活躍するブロックバスター映画も、これが5作目。まだまだ続くようだ。"undead"とは、私の持っている辞書ランダムハウス英和辞典には載っていないが、Weblioによれば、『かって生命体であったものが、すでに生命が失われているにもかかわらず活動する、超自然的な存在の総称』。ぶった切り撃ち殺したはずなのにまた生き返って立ち向かってくる、言ってみれば幽霊やゾンビたちのことだが、確かジャック・スパロウもその一味のはずが、この映画ではほぼ生身の海賊として暴れまわる。彼の飄々とした生き方とともに、観客はそのあたり融通無碍な映画を楽しんでいる。「今度はお前が死ぬ番だ。」とか、「俺がタダで死ぬと思うか?」のジャックのセリフはそれなりに意味がある。
 かって『聖杯』の水がこれら亡者どもを蘇らせたように、今回は『ポセイドンの槍』がその効力を発揮させるとの伝説に、「海の死神」サラザール(バビュエル・バルデム)や「カスピ海の王」バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)が、カリブ海の海底から蘇りジャック・スパロウに挑んでくる。また『生者』に戻って活躍したいと彼らは必死に望みを繋いでいるのだ。ジャック・スパロウを追い詰めるサラザールが「わしら(亡霊)は陸に上がれない」なんて弱音を吐くところがまたおもしろい。軟体動物系の面相をしたディヴィ・ジョーンズが、ここに一枚加わっていなかったのが残念でした。
 瀬戸内地方の塩飽諸島などを根拠としたかっての日本の海賊たちは、大阪石山本願寺をめぐる攻防で豊臣秀吉の水軍に敗れて以降、急速に勢力を失ったようだ。民俗学者沖浦和光の『瀬戸内の民俗誌』によれば、『漁業権を持たぬ家船漁民は、村々の地先海面での漁業が許されなかったので沖合で漁をするほかなかった。しかし、各地の海村が占有する地先海面もしだいに沖にせり出していったので、魚がたくさんいて自由に漁ができる場所はしだいに狭められていった。』これら海賊の後裔たちの家船の漁民たちは、明治維新後政府の定住化政策もあって姿を消していった。なにしろ戸籍がなくて、子供が学校に行けず文字が読めないなど差別されていた悲しい歴史がある。
 カリブの海賊が活躍したのは17世紀半ばから18世紀半ばごろまでのようだ。1643年イスパニアに衰退の兆しが見えてから、1762年に英国がドミニカやハバナを占領するまで約100年ぐらいの期間か。やがて次第に海賊の活躍する場所は制限された。ソマリア沖の海賊はまた別の話。だからこの映画の中でギロチンが現れたのには驚いた。なぜならギロチンはフランス大革命(1789)勃発後の発明品だから。時空を超越した話なら、カリブの島に建てられた銀行の立派な金庫が、建物ごとジャック・スパロウたちに引っこ抜かれる話は、現在のケイマン諸島のタックスヘブンを揶揄したものとみたがどうか。
| Movie | 15:30 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
学校開放デー
 今や「父兄会」でもなく、「家族参観日」でもなく、「学校開放デー」となった「授業参観日」に孫のリリーちゃんの小学校を訪れる。自分の息子たちの時は授業参観など一度もしたことのない男が、孫のそれには毎年必ず参加するというのもいささか妙な感じがする。リリーちゃんに言わせると、『じったんはちゃんと私のことを見てくれてないからダメだ。』というが、今回も学校中の教室をグルグルと見て回って、私はいろいろ楽しんできた。ほかの親たちもじっと自分の子供の教室だけにへばりついていないで、もっと歩き回ってそれらを比較してみるだけでも相当おもしろいと思う。
 三年生の国語の課題は『わたしのたいせつなたからもの』、5クラスのうち3クラスはこの授業の目的が黒板に書いてあるか、紙に書いて掲げられていた。各自が自分の宝物を、そのモノや絵に描いたものを見せながらその理由を説明するという授業の方向性は分かっていても、最初にそこへ入ってゆく導入部でもたもたしているクラスが多かった。今の子は皆明るくて物おじしないと分かっていても、大勢の他人の前でおのれの意見を発表するのはまた別物。自分を第三者的に眺めて演技することも必要になってくる。そんな意味で自分の発表が始まるとすぐ、泣き出してしまった子がいたのには驚いた。ほとんどの子がノートや紙に自分の文章を書いてきて読み上げるやり方だったが、あるクラスでは、みなそんなものは見ずに発表していてとても気持ちが良かった。またあるクラスでは机を取り払って半円形に発表者を囲むという劇場を再現して、一緒に宝物を愛でる感じが現れてとてもよかった。
 六年生のクラスでは、清少納言の『春はあけぼの』を取り上げていた。ふむ〜小学生でね〜と感心する。
| Diary | 22:33 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
映画「メッセージ」
 われわれ地球人より何層倍も知力の優れた宇宙生物に出くわしたとき、われわれはどうすればよいのか? かって映画「未知との遭遇」でも掲げられた課題。なにしろ光速の数百倍もの速さで移動する宇宙船に乗って現れ、何ら危険な兆候も見せず、かといって友好的な態度も見せない相手に、取り敢えずわれわれは手探りで対応する。この宇宙生物、<ヘプタポッド(『七本足』とでもいうべきか)と名付けられたタコのお化け>に対面するのは言語学者ルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)。彼女は彼ら独自の言語を解読するばかりではなく(シャンポリオンがロゼッタ・ストーンでヒエログリフの解読をしたように、ここがこの映画の一番の見所だった)、自分の未来予知能力にも目覚めてくる。彼らは三千年後に恐ろしい未来が地球に到来すると彼女に告げる。
 ともかくこんなに優れた能力を持った生物なら、地球上の言語や歴史、人間の性質までとっくにお見通しだと私は思うが、特にわれわれを『ガツ〜ん』とさせることもなく、彼らは至って平和に地球を離れてゆく。最初は原水爆の飛び交う戦争も想像したが、そんな事態も生起せず、気候変動など凄まじい自然破壊にも遭わず、今までと同じ生活が今後も続くが如きエンディングなのには少し拍子抜けした。これは続編を乞うご期待ということなのか。
 監督ドゥニ・ビルヌーブ
 
| Movie | 22:11 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP
月山旅情
 蔵王中央ロープウエーで上がってすぐ、鳥兜山の頂上に立つと、雪を被った山脈がぐるりと見える。西南に飯豊連峰、西方にそれより大きな朝日連峰がそびえ立ち、さらにその北側に丸いドーム状の大きな山塊が座っている。この月山は標高1984m、ブリタニカによれば「まんじゅう笠をのせたように見える」とある。その姿はゆったりとして威厳があり、どこかユーモラスな感じさえする。
 先週初め山形にまた旅行して温泉を楽しんできたが、いまやすっかり夏の気配、持って行った衣類は少しかさばって重く感じた。上山温泉、蔵王温泉と寒河江と回ってきたが、ローカルなバスや電車はまれにしか走っておらず、マイカー族でないわれわれにとって足の確保は誠に不便極まりない。しかも自分たちの足はすっかり衰えている。昔はどこへでも歩いて行ったのに、いまは一時間も歩くとすぐ休憩が必要となる始末。たまたま上山では駅前で乗り合わせる旅館手配のマイクロバスに乗り遅れてしまった。実は早めに着いたので町中でゆっくり食事して散策していたら、定時よりわずか2分の遅れて戻ったのにバスはすでに行ってしまった後。あわてて宿に電話したら、すぐ迎えを寄こしたのには驚いたが、全く当方のミスなのに先方が恐縮しているのは、この業界の激しい競争の現れか。総じてどの旅館のサービスも非常に優秀である。
 『山形のサクランボ』は、はしりのものはもう一部出荷し始めたが、本格的には全くこれからという感じで、赤く色づき始めたサクランボを横目に見ながら寒河江の疎水沿いなど散策した。見た感じではサクランボは7割がた、大きなビニールハウスで栽培されている。タクシーの運転手さんに言わせると、サクランボの摘み取りの季節は農家は非常に忙しくて、誰も飲んだくれてなどいられないという。呑み屋街はガラガラだそうだ。いまそんなゾワゾワとした雰囲気が立ち上ってくる気配を感じた。残念ながら左沢の「日本一公園」には行けなかった。
| Travel | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑PAGE TOP